和歌山県教育カウンセラー協会会長
米澤 好史(和歌山大学教育学部教授)
会員のみなさま、和歌山県教育カウンセラー協会の活 動に、日頃からご理解と多大なるご協力を賜りありがと うございます。 コロナ禍も、それが収束したのかそうでないのかもあ いまいにしたまま、以前の日常生活が様々な形で復活し ているように見える昨今です。ある意味、日本人、いや、 人間のよくない習性として、いろいろなものを曖昧なま ま、放置して、根本的な捉え方を避けようとする姿勢の現 れとも見える部分があるように感じます。愛着の視点か ら言えば、こうすれば安全、安心であるということを明確 にしてから、様々な措置をしたり、解除したりしていただ くとありがたいのですが、コロナウィルスそのものによく わかっていない部分もあるのでしょうし、いろいろな分 野の方のお声の強さもあるのでしょう、妥協の産物のよ うな落とし処に落ち着くということは、いろんなことで私 たちが体験してきたことのように感じます。 先日も和歌山県に大雨の被害がありました。全国各地、 世界各地で災害が生じ、その度に安全、安心が脅かされ る経験を強いられます。それに完全に備えること、支援す るは物理的には無理なのでしょうけど、できるだけそこ にこそ、施策的対応が必要なのではと感じています。 こども家庭庁が発足し子育て支援への今更ながらの施 策が進められようとしていますが、本当にこどもと子育 てに必要な支援になるのかとも思ったりもしております。 さて、今年度、総会、第1回事例検討研修会は、ZOOM によるネット開催という形で開催させていただきました。 毎回、感じますのは本当に有意義な事例検討ができてい るのではないかということです。それは事例を提供いた だく先生、検討いただく参加者の先生方、それぞれの立 場からの真摯な思いの交差がいい化学反応を起こしてい るからではないかと拝察しております。私もそこにその いい味を引き立てるスパイスの役割を担うことができれ ばと参加させていただいております。ぜひ、いろいろな 方からの事例をいただきつつ、ご一緒に考えていきたい と思っております。今後もどうぞよろしくお願いします。 私事では、前回御紹介した後、「愛着障害は何歳からで も必ず修復できる」(2022.9 合同出版)、「特別支援教 育 通常の学級で行う「愛着障害」サポート-発達や愛着 に問題を抱えたこどもたちへの理解と支援-」(2022. 11 米澤好史・松久眞実・竹田契一(共著) 明治図書出版) を出させていただきました。今年も数件の出版のお話が 進んでおります。また手に取っていただければありがた いです。学会の役員の御依頼もいくつかいただき、忙し くなりそうですが、いろいろな関係性が私自身を育てて きてくれたとありがたく受け止めながら頑張っていきた いと思っております。だからこそ、関係性の視点、その土 台である愛着の視点を大切にしていきたいと改めて思 います。和歌山県教育カウンセラー協会での出会い、先 生方とつながっているという安心感をいつも意識しつつ、 これからもご一緒に進んでいきたいと思っております。 どうぞよろしくお願いします。